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募集中のお題 / 川柳の愉しみ方 / その他の雑俳の愉しみ方/ 自由連句の愉しみ方


川柳以外の雑俳
 「ことばの宇宙・雑俳たわむ連」では、川柳以外にも、洒落附、冠沓、山号寺号など、江戸時代に市中で大流行したさまざまな言葉遊びをお楽しみいただいております。

  洒落附(シャレヅケ)冠沓(カンクツ)
  気結冠沓(キムスビカンクツ)地口附(ジグチヅケ)「題:いろはがるた」の場合
  院山寺号(インサンジゴウ)なもの附(ナモノヅケ)


●洒落附(シャレヅケ)

 洒落附は、式目(※1)に則ったことば遊びであり、
 近年流行の「駄洒落」とは一線を画したものです。

 洒落附は、何よりまず実際の作品をご覧いただいたほうが早いでしょう。

  【例句】 

  題:『洒落附 古今東西人体名称一切』

  まつげは誰にでもある  (入船亭 扇遊/雑俳「つ花連」)
  二の腕話          (柳家 小ゑん/雑俳「つ花連」) 

 それぞれ「間違ぇは誰にでもある」、「身の上話」を本文として
 洒落たものです。では遊び方についてご説明します。


 1)洒落附は大抵の場合兼題(お題を設定するやりかた)でおこなわれ、
   一般に『古今東西○○一切』という型式をとります。


    例:『古今東西冬の物事一切』『古今東西家庭道具一切』
      『古今東西国名・藩名一切』『古今東西有名人の名前一切』


 2)洒落る前の土台となる本文を
   「裏」または「本文(ほんもん)」と呼び、
   洒落た後の句(作品)を「表」といいます。


    例:[表]瞳 あったその日から    ←こちらを投句する
      [裏]一目 あったその日から

   このうち、作品として投句されるのは「表」だけです。
   投句の際は、裏を書き添えないきまりになっています。



 3)洒落附では必ず
   本文の頭の部分を使って洒落なければなりません。


    「一目 あったその日から」を本文とする場合は
    「一目」または「一目あった」の部分を洒落ます。

    頭の部分を使っていない例

      夜霧の第二食道  ([裏]夜霧の第二国道)

   「頭の部分を使っていない」ためこれは「病句(※9)(やまい句)」とされ、
   評価対象から最初に外されます。
   どんなに面白くても、評価されません。


 4)「同音」すなわち、
   表と裏が同じ音、同じ読みの言葉を選んではいけません。


    「同音」で作ってしまった例:

      [表] 小腸削減 (ショウチョウさくげん)
      [裏] 省庁削減 (ショウチョウさくげん)

   こういう句も「病句(※9)」とされ、自動的に評価対象から外されます。


 5)一句で二カ所以上洒落てはいけません。


 6)表(作品)の意味が通らない句は、どんなに面白くても
   高い評価を得ることはできません。(表が立つこと)


   表が立っている句は評価を得やすいのですが、たとえば先述の例句にある
   「瞳あったその日から」を「表が立っているかどうか」は、
   実際には撰者の判断にかかっています。


 7)表と裏の意味が「付かず離れずで面白みを醸し出している句が
   高い評価を得やすくなります(表裏一体)。


   高得点を狙おうと思ったら、表裏一体は欠かせません。
   先にあげた例句「二の腕話」の場合は 

    【例句】
       表  二の腕話    ←投句されたのはこちら
       裏  身の上話

   昔は、よく「はな命」「せつ命」などと
   二の腕(上腕部)に惚れた相手の名を彫った人がいたものですが
   二の腕をまくって、そこに彫った名前の由来をきかせている・・・
   「二の腕話」という句はそんな情景を想像させます。
   まさに「二の腕を見せながら聴かせる、身の上話」ということで
   表が立ち、かつ、表裏一体の良い句だ、ということで評価されたのです。

   洒落附をはじめ、雑俳の面白いところは、
   上記のような「情景」を思い浮かべながら作者が句を作るというだけでなく、
   作者が何気なく作った句から、
   撰者が思いもよらないような情景・解釈を引き出す点にあります。






●冠沓(カンクツ)

冠沓は、任意の言葉を任意の箇所から2つに分け、
それを冠(句の頭)(句の末尾)に入れて、短句(七・七)をつくる遊びです。

【例句】 題『古今東西花の名称・三音以上』

 ドクダミ  毒だと知ってつまむ青い実 (柳家 小ゑん/雑俳「つ花連」)
      ドクダとしってつまむあおい

 アヤメ  あやし疲れて母が閉じる目  (入船亭扇遊/雑俳「つ花連」)
      アヤしつかれてははがとじる

 お題の扱い方は割句川柳と同じですが、こちらは短句(7・7)の種目です。


 1)お題にそった言葉を選ぶ

 まず、お題は『花の名前・三音以上』というような型式で出題されます。

 そこで作者は「スイセン」「ヒマワリ」「アヤメ」「スミレ」「アマリリス」など、
 三音以上の花の名前をひとつ選び、それで句を作りはじめます。
 「ユリ」「キク」「バラ」など、二音(仮名で2文字)の花は不可です。


 2)選んだ言葉を二つに分ける

 次に、選んだ花の名前を任意の箇所でに2つに分けます。
 「スイセン」の場合「ス・イセン」「スイ・セン」「スイセ・ン」のどこでも結構。


 3)分けた言葉を短句の冠と沓に配して、句を作る

 これを句の冠と沓(頭と末尾)に配して短句(七・七)を作るのです。
 以下の表をご覧下さい。

 
   
                               
   
                               
   

  【例句】
   スイセン   好き同志には野暮な盃洗(橘右之吉/雑俳「つ花連」)
  (ス+イセン)  きどうしには やぼなはイセン


 4)文字の重複は病句

 なお、次のようにことばが重複すると病句(※9)になります。

  【病句の例】
    スイセン   酸いも甘いもすすぐ盃洗
           スイもあまいもすすぐはイセン
   ※「イ」が重複し、「 スイイセン」となっているため病句(※9)


 5)高得点を目指すなら

  冠沓をはじめ短句(七・七)型式の種目は、以下の仕様が有利となります。

 ◆文末を体言止め(名詞・代名詞)で終わる
 ◆ 文末を三音止めにしない

 短句(七・七)の下七は音節の区切れ方で
 「二・五」「三・四」「四・三」「五・二」などの形になりますが、
 このうち「四・三」(三音止め)は、
 音調的に次の長句(五・七・五)を誘引するため、
 短句で完結する冠沓などの種目では避けられます。

【高得点をとりにくい作例】
                 
             
                                   


「四・三」のあとは「ナニがナニしてナントやら・・・」と、続けたくなるので、
こういう三音止めは不利です。
従って、高得点を目指す方は、ぜひ「二音止め」「四音止め」になるよう
調整しながらお作りください。




●気結冠沓(キムスビカンクツ)

作り方は冠沓と同様ですが
選んだ言葉に関する内容の短句(七・七)をつくります。


【例句】 お題が『家の部分・建具の名称』の場合

「縁側(エンガワ)」  縁が切れずに番茶呑むしわ   (柳家小ゑん/雑俳「つ花連」)

            エンガきれずにばんちゃのむし

( ※選んだ「縁側」での情景が表われた短句になっています。)




●地口附(ジグチヅケ)

お題にちなんだ言葉を選び、
それに似せた言い方で別の内容に作り替える遊びです。

元にしたことばが分かれば、どの部分をどのように変えても構いません。

「洒落附」とは違い、地口附は、題材のことばや文がわかり、
かつ、表が立っていれば、どの部分をどのように変えても、構いません。


お題は『有名歌謡曲のタイトル』『いろは歌留多』のように出題されます。

 1)実例:『有名歌謡曲のタイトル』の場合

 たとえばここで、題にそって歌謡曲「ベットで煙草を吸わないで」を選んだとします。

 たとえば・・・

 【例句】 ベットで卵を吸わないで  (柳家小ゑん/雑俳「つ花連」)

 「煙草」と「卵」は言葉が似ており、元がわかりやすい言い換えです。

 一方、

 【よくない例】  ベットでストローを吸わないで

 「煙草」と「ストロー」はあまりに音が離れていて、
  元がわかりにくいので、地口としての評価は得られないでしょう。

 上記の例は、ともに表が立っていますが、
 「ストロー」より、「卵」の方が、元にしたフレーズがわかりやすくいようです。





また、お題が『いろはがるた』の場合は
「いろはがるた」から自由に一つ選び、
地口の要領で別の内容に作り替えます。

【例句】 

 ※ 第十五回放送分より
・ ドンより正午      (他抜局 【天】)
 (本文) 論より証拠 

・ インド歩けば像に当たる (熊のペーさん 【地】)
 (本文) 犬も歩けば棒にあたる 



『古今東西いろはがるた』などと出題された場合は京、大坂など全国のかるたや、
現代のかるたも使えます。


「東西いろはがるた一覧」はこちら



●院山寺号(インサンジゴウ)

仏寺の「院・山・寺」号をもじって
自由な長さで句を作る遊びです。

金竜浅草、 神齢悉地護国、 東叡寛永など
仏寺独特の名前のつけかたを「院山寺号」「山号寺号」などと呼びますが
言葉の末尾が順に『〜いん〜さん〜じ 』『〜さん〜いん〜じ 』『〜いん〜じ 』
『〜さん〜じ』 になるような句をつくる遊びです。
長句、短句などの型式や、字数の制限はありません。

【例句】

  お坊さん総動大法    (五街道雲助/雑俳「つ花連」)

  (おぼうさん そうどういん だいほう

  御落風雲     (柳家小ゑん/雑俳「つ花連」)
  (ごらくいん ふううん

  シーン撮影五   (シベリア剛速球さん/番組御常連【人】)
  (しーんさん さつえいご) 


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監修:柳家小ゑん

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